行事別にわかる商品券の包み方。熨斗と水引のマナー

 最終更新日:2016/10/14
商品券の贈り方・マナー

公開日:  最終更新日:2016/10/14

商品券というと使う場所が限られているようなイメージがあるかもしれませんが、最近では商品券が使える場所というのも多くなってきています。また、「プレゼント探しが難しいのでギフトカードを贈る」「大きな声では言えないが、要らないモノをもらうより、商品券をいただいたほうが嬉しい」という方も少なくありません。そのため、お祝い事やしきたり事ごとでも、商品券やギフト券が使われるシーンは増えています。

さて、金券ショップでバラ売りの商品券を買ってきたときや、誰かにもらった商品券を再利用するときには、自分で商品券を包装する必要が出てきます。そんなときは、コンビニや文具店などで熨斗封筒を買ってきて包むことになりますが、行事によって使う熨斗や水引きの種類が違いますし、間違ったものを使うと失礼になりかねません。

この記事では、自分で包装を用意しなければいけなくなった場合に役立つ「行事ごとの商品券の包み方」や「熨斗と水引きの選び方」をご紹介します。また、包装する際の工夫や、別のものと一緒に包む場合の包み方などもご紹介します。

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販売店で買うと包装してもらえる

通常、商品券を正式な販売店で買うと、化粧封筒や熨斗(のし)は、販売店のほうで用意してあり、無料で包装してもらえます。特に、JCBなどの信販系ギフトカードや全国百貨店共通商品券は、包装から郵送まで贈答向けの対応はしっかりと対応してもらえるので安心です。

商品券を買う時に、相手の住所と正式な漢字の氏名をメモしていくのを忘れないようにしてください。そうでないと自分で郵送することになります。斎藤か斉藤か、みたいに漢字がわからずに送れなくなってしまうと面倒です。
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百貨店商品券を高島屋で包装してもらう

熨斗(のし)と水引の由来や意味

商品券の包み方ということですが、まずは、商品券を包むにあたって知っておきたい熨斗と水引の由来や意味について紹介します。市販の熨斗を買ってくればいいだけではあるのですが、作法やしきたりは知っているのと知らないのでは大違い。熨斗や水引きについて知っておくとよいでしょう。急ぐ方は、この記事の後半に行事別の包み方を掲載していますので、そちらをご覧ください。

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熨斗(のし)について

まずは、熨斗(のし)についてです。熨斗というのはご存知のように、お祝い事における進物や贈答品などに添えられる飾りのことです。祝儀袋の右上についているものです。最近では、祝儀袋に直接印刷されていることもあります。

熨斗というのは、もともとアワビを熨(の)したものが由来になっています。「熨す(のす)」というのは平たくするということで、ようするにアワビの干物ですね。あのマークはアワビの干物を包んだものだったんですね。

秦の始皇帝の時代にはアワビが不良長寿の薬とされており、アワビの干物が長寿の象徴とされていたのです。長寿というのは当然めでたいことですので、気づけばお祝いの席にはアワビを熨したものが出されるようになり、それが形として残っているのが現在使われている熨斗なのです。長寿ということで、熨斗には「引き伸ばす」といった意味合いがあると考える方もいます。

水引き

次に、水引についてです。水引というのは進物や贈答品の包みを結ぶ紙でできた紐のことです。こちらを「熨斗」と勘違いしている方もいますが、紐のほうは水引きです。この水引は、お祝い事では欠かすことのできないものなのですが、最近では熨斗と同じようにのし紙や祝儀袋にそのまま印刷されていることもあります。

どうして「水引き」という名前なのかというと、水引というのは、もともと紙でできた紐で、正確には和紙をこよりにしたものなのですが、和紙をこよりにしたものをそのまま使っていても紐が緩んでしまいます。そのため、緩まないようにするために水糊(水ノリ)を引いて固めます。水糊を引くから水引と呼ばれているのです。

何度も祝いたいなら蝶結び、一度きりなら結び切り

水引きにもさまざまな種類がありますが、基本的には蝶結びと結び切りというふたつの結び方がよく使われます。

蝶結びは文字通り蝶々結びなので何度でも結んだりほどいたりすることができます。そのため、何度あっても嬉しいお祝い事の際に使われます。

一方で、結び切りというのは、一度結べばほどくことはできません。そのため、お祝い事でも1度きりにしておきたいものに使われます。

お祝い事での水引は紅白を使いますが、その本数も重要です。基本的には3本、5本、7本の奇数の水引を使っていきます。5本がメインになってきますが、結婚祝いなどでは10本結びを利用するのですがこれは5本×2という理解になります。

包み方の基本

熨斗封筒ですが、現金用のものと同じもので構いません。包み方も現金と同じです。コンビニや文具屋で、その行事ごとに合う熨斗封筒を買ってくればよいです。熨斗封筒の裏側にどんな行事に使えるか書いてありますので、間違えないように買ってきましょう。

この後の包み方は、熨斗封筒の説明書に記載されていますが、まず商品券を奉書紙で中包みするか、中袋に入れます。それをさらに上包みし、そのお祝いシーンに適した水引をかけ、熨斗を添えます。簡易的な封筒の場合、たいていは熨斗は別添えではなく、封筒に印刷されていますから、何もする必要はありません。

熨斗封筒を使わないとダメ?

そもそもの話になってしまいますが、熨斗封筒を使わないとダメなのでしょうか。行事や相手との関係によっては、必ずしも熨斗封筒を使う必要はありません。

例えば、友人に贈る出産祝いは、熨斗の付いていないタイプのお祝い用封筒を使うこともできます。おしゃれなグリーティングカード付きの封筒もあるので、そういうものを使ってもかまいません。Amazonギフト券を贈る場合には、熨斗も選べますが、ギフトボックスやグリーティングカードタイプもよく使われています。

逆に、昔からの日本のしきたりごとであれば熨斗封筒を使うのが無難です。例えば、「お見舞い返し」というのは、典型的な日本のしきたりです。(もらったものの半分を返すという謎の行事ですが、それこそ「しきたりごと」ですよね。)こういった行事に倣って贈る以上は、熨斗封筒を使ったほうがよいでしょう。

他の贈り物とまとめたい場合の包み方

商品券だけを贈るのではなく、お菓子など他の贈り物と一緒に商品券を贈りたいということもあるかと思います。

商品券と贈り物の二つを贈る場合には、「高価な方」に熨斗を付けて渡すのが基本です。ただ、お祝いごとの場合には、両方に熨斗を付けてもかまいません。直接、相手のところまで出向くのであれば、熨斗をかけた贈り物の上に熨斗をかけた商品券を乗せ、それを丸ごと風呂敷などで包んでいくといいでしょう。

贈答品に熨斗をかける場合には、包装紙の上から熨斗をかける「外のし」、熨斗をかけてから包装する「内のし」があります。基本的にどちらでも構わないのですが、内のしのほうが控えめな印象を与えることができます。

郵送の仕方

直接渡すことができずに郵送する場合には、商品券をのし袋に入れて、そのまま書留で、他の贈り物は内のしにした状態で補償のある方法で送りましょう。基本的に手渡しにしても郵送にしても、熨斗は必要になるのです。商品券を郵送する方法については別の記事にまとめていますので、こちらをご覧ください。

行事別の包み方

行事やしきたりごとの水きりと熨斗の選び方を紹介します。

結婚祝い

結婚祝いの場合、ご祝儀袋の水引は必ず紅白の結び切りにしましょう。これには「一度結んだらほどけない」という意味が込められています。包装された状態の商品券を奉書紙で中包み、もしくは中袋に入れ、それをさらに上包みし、結び切りの水引をかけ、熨斗を添えます。

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出産祝い

出産祝いの場合、ご祝儀袋の水引は必ず紅白の蝶結びにしましょう。「何度も結んだりほどいたりできる」ということで、何度あっても嬉しいお祝いの際に使う水引です。包装された状態の商品券を奉書紙で中包み、もしくは中袋に入れ、それをさらに上包みし、蝶結びの水引をかけ、熨斗を添えます。

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新築祝い

新築祝いも何度あっても嬉しいお祝い事です。何度あっても嬉しいということで、紅白の蝶結びの水引を選びます。包装された状態の商品券を奉書紙で中包み、もしくは中袋に入れ、それをさらに上包みし、蝶結びの水引をかけ、熨斗を添えます。

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退職記念

退職というのは、人によって喜ばしいものであったり、悔しいものであったりするものです。しかしながら、どういった理由での退職でも「新しい門出」としてお祝いするのが一般的です。水引には紅白の蝶結びか淡路結びを選びます。包装された状態の商品券を奉書紙で中包み、もしくは中袋に入れ、それをさらに上包みし、蝶結びか淡路結びの水引をかけ、熨斗を添えます。

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お見舞い

お見舞いということは、相手が怪我や病気をしているということになります。怪我や病気がないようにという気持ちを込めて、水引は紅白の結び切りを選びましょう。包装された状態の商品券を奉書紙で中包み、もしくは中袋に入れ、それをさらに上包みし、蝶結びか淡路結びの水引をかけます。熨斗は病気や怪我を伸ばすと考える方もいますので、添えないようにしましょう。
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ちなみに、怪我や病気以外でのお見舞い、例えば選挙などでの陣中見舞いの場合には、水引は紅白の蝶結びで、熨斗も添えるようにしましょう。

お見舞い返し

病気や怪我をしているときにお見舞いをもらったら、完治したときにその金額の半分ほどをお返しとして包みます。病気や怪我はできることなら二度と繰り返したくないものですので、水引は紅白の結び切りを選びます。包装された状態の商品券を奉書紙で中包み、もしくは中袋に入れ、それをさらに上包みし、結び切りの水引をかけます。熨斗は添えても添えなくともどちらでも問題ありませんが、添えないという方が多いようです。
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ちなみに、選挙などでの陣中見舞いにはお返しは必要ありません。違法になりかねません。

まとめ

行事別にわかる商品券の包み方ということでご紹介してきました。お祝いシーンだけではなく、相手の年齢や住んでいる地域にとって違ってくる部分もありますので、奥深い世界です。祝儀袋もいろいろなものが市販されていますし、中にはお洒落なものもありますので、封筒選びを楽しみつつ、贈り物を作るようにしましょう。

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